ホーム ブログ 『座りすぎ』は本当に“新しい喫煙”なのか? 長時間の着座がもたらすリスク

『座りすぎ』は本当に“新しい喫煙”なのか? 長時間の着座がもたらすリスク

2025.01.21
整体
『座りすぎ』は本当に“新しい喫煙”なのか? 長時間の着座がもたらすリスク

はじめに

突然ですが、みなさんは1日にどのくらい座って過ごしていますか? テレワークやオフィスワークで朝から晩までPCの前、移動は車や電車、夜はテレビやスマホ――気づけば“ほとんど座ったまま”という方も少なくないでしょう。
実は今、世界中で「座りすぎ」が喫煙やエイズ並みの深刻な健康リスクだと警鐘が鳴らされています。身体的不活動(physical inactivity)が原因で、年間約320万人もの人が亡くなっているという試算もあるほど。その背景や理由を探っていくと、ヒトの体の構造や進化の歴史、生活スタイルの激変が深く関わっているのです。
今回は、アメリカで人気のコーチ兼フィジカルセラピスト、ケリー・スターレット氏らによる『ケリー・スターレット式「座りすぎ」ケア 完全マニュアル』を参考に、「座りすぎはどうして危険なのか?」をわかりやすく解説し、さらに整体師としての独自の視点から、日常で取り入れやすいケア法や姿勢の注意点などをお伝えします。


専門書の概要・精度

今回ご紹介するのは、ケリー・スターレット氏とジュリエット・スターレット氏、グレン・コードーザ氏による『ケリー・スターレット式「座りすぎ」ケア 完全マニュアル』です。医道の日本社から出版されており、姿勢やバイオメカニクスに焦点を当てながら、「なぜ座る時間を減らす必要があるのか」「座るリスクをどう軽減すればいいのか」を、具体的なエクササイズやメンテナンス法とともに解説しています。
本書の序文(Introduction)では、まず“座りすぎ”が身体にもたらす膨大なリスクを、科学的研究や公的機関(WHO、米国公衆衛生局など)のデータを通じて提示。そして「座ることは新しい喫煙である」という衝撃的な言葉とともに、痛み・疾患・寿命短縮、さらには経済的損失にまで及ぶ影響をわかりやすく説き起こしています。
論文レベルとしては、WHOやメイヨー・クリニックといった信頼度の高い機関のデータをベースに、いくつかの観察研究や報告書を引用しており、「身体的不活動」が全世界的に問題視されるほどの要因になっている事実を裏付ける内容です。


専門書の要約

(1) 「座ることは新しい喫煙である」

  • 米国のメイヨー・クリニックで肥満解消の研究を行うジェームズ・A・レヴィン博士によれば、座ることは喫煙よりも深刻な死因であり、「パラシュートで飛び降りるより危ない」というほど。
  • 座位姿勢は「身体的不活動(Physical Inactivity)」の象徴であり、喫煙やエイズに並ぶ、あるいはそれ以上の死亡リスク要因とみなされ始めています。

(2) 長時間座ることの危険性

  • 1日2時間以上の連続座位が、心疾患や糖尿病、肥満、腰痛、頚椎痛など幅広い健康リスクを高めると報告。
  • 世界保健機関(WHO)も、身体的不活動を予防可能な死因の第4位に挙げ、年間約320万人の死者が出ていると警鐘を鳴らしています。

(3) 具体的な研究データ

  • 2008年 オーストラリアの研究
  • 25歳以上の成人を対象にした調査で、テレビを1時間視聴するたびに寿命が21.8分縮むという結果。
  • レヴィン博士の試算
  • 1時間座ると寿命が2時間縮むとさえ述べられ、かなり衝撃的な数字が引用されています(あくまで喚起のための極端な表現ですが、座り続けることの危険性を示す材料として使われることが多い)。

(4) 進化の観点から見る“座りすぎ”

  • ヒトは本来、狩猟や採集などで一日中動き回るよう設計されてきました。
  • しかし、車や公共交通機関の普及、オフィスワークやテレワーク、娯楽(TV・スマホ)の定着により、現代人は1日平均13時間以上も座っているという報告が。
  • その結果、骨格・筋肉・神経系に負荷が偏り、本来の自然な動きができず、姿勢不良や腰痛、肩こりに悩む人が急増しています。

(5) 経済的損失と医療費

  • 米国では慢性疾患の治療費が全医療費の75%を占め、その背後には肥満や運動不足が大きく関わっています。
  • 腰痛や頚椎痛は「労働者が最も訴える障害」のひとつであり、10人中8人が一生に一度は背腰部の痛みを経験すると言われるほど広範な問題です。

独自考察

私自身、構造バランス理論を用いた整体を行っており、長時間座位で生じる不調を訴える方に多く出会ってきました。もちろん、座りっぱなしでも痛みや辛さを感じにくい体質の方も一定数いらっしゃいますが、少なくとも以下のような症状が目立つのは確かです。

  • 姿勢の崩れ(猫背・巻き肩・骨盤後傾など)
    長時間の座位は背中を丸め、首を前に突き出す“スマホ首”のような姿勢が習慣化しがちです。
  • 筋肉のアンバランス
    座り続けることで、特定の筋肉が常に短縮(硬くなる)し、逆に使われにくい筋肉は衰え、関節に余計な負荷がかかります。
  • 循環不良
    下半身を動かさない時間が長いため、血液やリンパの流れが滞りやすく、むくみや冷え、倦怠感などにつながりやすいです。
  • 自律神経の乱れ
    同じ姿勢を続けることで呼吸が浅くなり、交感神経・副交感神経のバランスが乱れやすいと感じます。結果としてイライラ感や集中力の低下、睡眠の質の悪化などを訴える方も少なくありません。

特に腰痛・肩こり・頸部痛は、座りすぎによる骨盤の後傾や前傾のアンバランスが絡み合い、慢性化しやすい印象です。一方で、30分や1時間おきに立ち上がって軽くストレッチをする人は、症状の悪化を防ぎやすい傾向があります。

日常で心がけたいポイント

  1. 30分~1時間に1回は立ち上がって体を動かす
  • 軽く歩いたり、背伸びしたりするだけでも血流が変わります。
  1. 椅子の高さやPCモニターの位置を調整する
  • 目線が下がりすぎたり、膝の角度が窮屈にならないよう注意しましょう。
  1. 呼吸を意識する
  • デスクワーク中も時々深呼吸を入れて、肩・首まわりをリセットすると姿勢維持が楽になります。
  1. 適度な筋力トレーニング
  • 特に体幹や下半身の筋肉は、座り姿勢の負荷を軽減する土台になります。

まとめと今後の展望

「座りすぎは新しい喫煙である」という刺激的なフレーズには、一見大げさに聞こえるかもしれません。しかし、実際にWHOや様々な研究機関が指摘するように、長時間の座位姿勢は心身の健康に大きなデメリットをもたらすのは事実です。たとえ1日1時間運動をしていても、残りの数時間ずっと座ったままであれば、運動効果を相殺してしまうという報告もあります。
私たちの体は本来、頻繁に動くことでバランスを保つよう設計されているため、現代の「座りがちな」ライフスタイルこそが大きな課題といえるでしょう。
今後は、座りすぎがもたらす問題を「新しい喫煙」として社会全体で捉え直し、オフィス環境や日常習慣の改善が広がっていくことが期待されます。立ち仕事やスタンディングデスク、こまめなストレッチタイムなど、少しずつ対策を取り入れてみましょう。


問い合わせ・ご予約

もし「座りすぎが原因の腰痛かも?」「長時間座っていると股関節がバキバキに痛い」「仕事中の姿勢を見直したい」とお悩みでしたら、私たちBALANCE TOKYOにお気軽にご相談ください。構造バランス理論を軸に、一人ひとり異なる骨格や筋肉バランスを見極めながら、痛みの原因にアプローチする施術・美容・カラダコンサルティングを行っています。

座りすぎのリスクを“知る”だけでなく、“行動”に移すことで、体の辛さや将来的なリスクを大幅に減らすことができます。まずは小さなステップから始めてみましょう!

注意点・免責事項

  • 本記事はあくまで健康情報の共有であり、医療行為ではありません。
  • 研究データは海外のものも含まれるため、日本人の生活習慣・身体特性にそのまま当てはまらない場合があります。
  • 「1時間座るごとに寿命が2時間縮む」という表現はあくまでレヴィン博士の示唆であり、個人差や研究条件によって数値は異なります。
  • 現在、重度の腰痛や慢性的な痛みを抱えている方は、自己流のケアで逆効果になるケースもあります。==必ず専門家や医療機関に相談==のうえ、適切な治療・指導を受けてください。

この記事を書いた人

稲田 航平

【BALANCE TOKYO院長 / 整体師 / カラダコンサルタント】 医者が診療で参考にするほどの知識と技術の敏腕院長! お医者様にも推薦・ご紹介頂けるほど、カラダの構造と仕組みの勉強、技術の研鑽を行って参りました。正確な骨格分析や姿勢分析から不調の原因をロジカルに解明し、本質的な施術を行います!カラダの状態や仕組みをわかりやすく説明、アドバイスさせて頂きますので、普段の生活で気をつけるべきこともわかるようになります◎

  • LINE LINE公式
  • INSTAGRAM INSTAGRAM

RESERVATION メニューを選んで予約

電話

080-7119-5625

※施術中でお電話をお取りできない場合が多くございます。
折り返しのご連絡になってしまうため、お急ぎでない場合は公式LINEからご連絡ください。

LINE メニューを選んで予約 HOTPEPPER BEAUTY メニューを選んで予約